家を建てる土地が欲しい!宅地と分譲地の違いを押さえておこう
土地には、宅地と分譲地の2種類があり、この二つはマイホームを購入するうえで、ぜひとも違いを理解しておきたいポイントです。これらには、それぞれのメリット・デメリットがあるので、その特徴が分からないまま家を建ててしまっては大変です。
ここでは、この「宅地」と「分譲地」について解説します。
宅地と分譲地について知っておこう
宅地と分譲地が同じものだと思っている方はそう少なくないはずです。その違いや特徴についてしっかり理解している方は珍しいほどです。
宅地は、土地の元々の状態の都合によって、上下水道が引き込まれていないケースがあり、区画壁だけが残されていることもあります。以前建物があった土地の場合だと、上下水道がすでに引き込まれているケースもあります。宅地の例は、農地や畑、雑種地、森林、公衆用道路などが該当します。
分譲地とは、区画壁や上下水道が引き込まれている土地ですが、下水道に関しては、使用できる地域に関して引き込み済みとなっていることもあります。分譲地は基本的に不動産屋が所有している土地になり、広い土地を区画整理して、宅地向けに販売したものとなっています。
ここまでの説明だと、圧倒的に分譲地の方がいいのでは? と思われる方も、いらっしゃるでしょう。しかし、意外にそうとも言い切れないのです。
特徴と違いとは?
宅地はやはり、好きなところに好きなように家を建てられる、“自由度の高さ”が何よりの魅力でしょう。分譲地は、広い土地を分けて販売していることから土地が狭くなっており、さらに都市部や駅近の立地だと、より土地が狭くなります。しかし宅地の場合は、都市部や駅近のような需要の高いエリアでも、売りに出していることがあり、広い土地を確保できるケースもあるのです。
また、分譲地の場合だと、住宅を建設するにあたり、ハウスメーカーや工務店があらかじめ指定されています。そのためA社の分譲地では、A社の家しか建てられず、B社に依頼することはできません。それが宅地の場合だと、建設条件がなく、お好きなハウスメーカーや工務店に依頼することが可能なのです。
分譲地の魅力は、土地代が明確であることです。そのため、資金計画も立てやすいでしょう。宅地の場合だと、次のような費用が発生します。一つ目に仲介手数料。二つ目に、建物がある場合はその解体費用。三つ目に、農地転用といった現況として宅地でない場合は、宅地への変更手続きの費用。四つ目に、住宅を建てられるように造成する費用。そして五つ目は、電気・ガス・上下水道などのインフラ整備費用などを負担しなければなりません。
そのうえ、これらが必要か、いくらになるかといったことを調査するための費用も発生。ですが分譲地の場合だと、すでに土地が整備されている状態であるため、土地にかかる費用は土地代のみになります。
結局宅地と分譲地どっちにしたらいい?
宅地向きの方は、周辺の建設ラッシュの騒音は避けたい、周辺の風景や環境の変化はないほうがいい、施工業者を自由に選択したい、ご近所さんと人間関係を築きた、ご近所の住宅と比較されたくないといったことを要望する方になるでしょう。住宅の施工業者が限定されてしまうことは、デザインにこだわりたい方にとって、厳しいものがあるかもしれませんね。
分譲地向きの方は、資金計画をあらかじめ立てておきたい、新しく整備された街並みに憧れている、周辺に自分の子供と歳の近い子が住んでいる方がいいといったことを願う方になるでしょう。土地や住宅の購入は、大金が動く事柄ですので、資金計画が事前に建てられるのは、金銭面に不安のある方にとって、特に重要でしょう。
■宅地と分譲地両方の注意点
建設される住宅には、法律により規制があらゆる形でかかります。その中で特に建ぺい率、容積率北側斜線は、同じ土地面積であっても、住宅の規模や形状が変わってしまうというもの。そのため、宅地・分譲地問わず、土地を購入する前に調べておくようにしましょう。また、このような規制は、都市計画法によって、用途地域ごとに設定。用途地域は、各エリアの目的に沿って指定される基本的な地域区分となるので、宅地購入時には確認しておきましょう。
まとめ
宅地にも分譲地にも、それぞれの特徴と良さがあるということが、お分かりいただけたのではないでしょうか。分譲地は意外と自由が利かない印象はありますが、計画的に頭金と住宅ローンの支払いを済ませたい人の都合には適した土地と言えるのではないでしょうか。しかし、自分好みの住宅を造っているハウスメーカーに依頼したいという想いを叶えるなら、宅地になるのだろうと考えます。
いずれにせよ一貫して言えるのは、土地探し以前に、それぞれの土地の特徴を理解しておくことが重要ですので、今回説明したポイントを頭の隅にでも入れていただければと思います。