不動産を購入するなら生命保険の見直しをした方がいい理由とは?
住宅購入において、とにかく出費が重なってしまいますよね。住宅ローンの借入や頭金など、人生において家計をもっとも考えるターニングポイントとも言えるかもしれません。また、このタイミングは生命保険の金額の見直しをすべき時期ともされています。
大きな金額が動くときなので、ここで住宅購入時の生命保険の見直しに関する、必要情報を解説したいと思います。
生命保険の金額と必要保証額とは?
生命保険の保険金額が大きい方がよさそうな印象を受けますが、実際はそんな単純な話ではありません。保険金額が大きいと、その分保険料が上がりますし、掛け捨て保険だと生存した場合、保険金の受け取りは不可能になります。
特に何も起こらず保険期間が終了することを踏まえると、過不足のない保険金額で加入するのが、もっとも家計に無理のない選択肢となるでしょう。また、保険の見直しにあたって、死亡時に必要となる保険金額の必要保障額についても、理解しておくことをおすすめします。
生命保険の必要保証額とは、大黒柱となる人が亡くなった場合、残された家族が生活するために必要な金額のこと。世帯主が亡くなり、残された子育て中の専業主婦と幼い子ども二人が、生活できるだけの金額こそが、必要保証額となります。
金額はケースによってまちまちですが、大黒柱の分を差し引いた次の金額が必要となります。まず食費、光熱費、医療費などの生活費、賃貸料金や維持管理費など住居費、子供二人分の進学先に応じた教育費、葬儀・相続などの費用などが必要となるでしょう。
必要保証額は、以上の金額から入ってくるお金と、自己資金を差し引いたものとなります。入るお金は、たとえば公的な遺族年金であったり、死亡退職金、残された妻が働くことになれば、その収入などが考えられるでしょう。ちなみに、必要保証額を算出するにあたり、住居費が含まれており、これにより保険の見直しの必要性が議論されています。
必要保証額を見直さなければならない理由とは?
住宅購入が必要保証額にもたらす変化とは、一体何なのでしょうか。
まず、賃貸で月々の賃料が10万円だとして、30年経つと3,600万円、40年経つと4,800万円になって、50年になれば6,000万円にもなる賃料が、必要保障額として計上されることとなります。
住宅を購入した場合、通常であれば賃料はなくなって、代わって住宅ローンの返済をしなければならないでしょう。賃料が住宅ローンの返済に入れ替わっただけのようにも思えますね。ですが、大抵の金融機関において、借入時に住宅ローン専用の生命保険へ加入することが前提となっています。
住宅ローン専用の生命保険として用意されているのが、「団体信用生命保険」、通称“団信”のこと。この保険に加入することで、住宅ローン契約者が死亡・所定の高度障害状態となってしまった場合、住宅ローンの残債がなくなります。
団体信用生命保険の詳細
団信は、次のタイプから選ぶ形になります。
・通常の団信
・3大疾病特約付き
・8大疾病特約付き
通常の団信だと、借入者が死亡、あるいは高度障害状態に陥った際、残債が完済されます。この団信の保障に加わる形で、3大疾病特約付きでは、がん・急性心筋梗塞・脳卒中になった場合も保障対象に。さらに8大疾病特約付きだと、高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎が加わる形で、支払が免除されます。
ほとんどの金融機関では、通常の団信に保険料を別途負担することはないのですが、3大疾病や8大疾病のような特約付き団信だと、別途保険料が発生したり、金利が上乗せされることも。これらの金融機関によって、条件は異なっているため、各々確認するようにしてください。
<団信のメリットと注意点>
団信は、生命保険に加入しているような状態となるため、それまで加入していた生命保険の見直しを検討する必要があります。もしもの場合に住宅ローンを完済できるため、残された家族は、居住費を負担せずに済みます。
団信加入にあたり、生命保険の死亡保障部分の一部を解約することで、月々の保険料の減額にも繋がるでしょう。ちなみに、出産予定などは、死亡保障を充実させることにもなり、現在加入中の生命保険も継続しつつ、団信で保障の待遇をよりよくすることも可能でしょう。
注意点として、家族すべての居住費が免除されるというわけではなく、現在加入中の生命保険のカバー範囲や、生活の必要保証額といった要素も、検討の余地があります。在加入中の保険の解約については、現保険会社の担当者、あるいは専門のフィナンシャルプランナーに相談し、解約を決めるようにしましょう。
まとめ
不動産の購入において、生命保険の見直しが必要な理由についてまとめさせていただきました。要するにローンを組む場合は団信に入る必要があり、加入中の保険と内容が被る場合は保険の方を見直すということになります。
一家の大黒柱に万が一のことがあれば、団信でローンの残債が免除されますし、残された家族は基本的に、ランニングコストの負担だけに留められるため、そのまま継続して同じ家に住めます。